CTS-KB

MX レコード

えむえっくすれこーど

MX Record Mail Exchanger Record RFC 1035
#DNS #メール #SMTP #標準仕様 #情シス

Mail Exchanger Record(MX レコード、RFC 1035)。DNS で特定ドメイン宛のメールをどの SMTP サーバーが受信するかを宣言する標準レコードタイプ。メール配信の経路指定の根本を担い、ドメインに最低 1 つの MX レコードがなければそのドメイン宛のメールは到達しない。

レコードの形式

example.com.   IN   MX   10   mail.example.com.
example.com.   IN   MX   20   mail-backup.example.com.
要素意味
ドメイン名メールを受け取るドメイン
クラス(INInternet(通常省略可)
タイプ(MXレコードタイプ
優先度(preference)値が小さいほど優先。同値はラウンドロビン
ホスト名受信 SMTP サーバーの FQDN(末尾ドット必須)

クラウドメールでの典型例

サービスMX レコード値
Google Workspace1 SMTP.GOOGLE.COM
Microsoft 3650 <tenant>.mail.protection.outlook.com.
Amazon SES(受信)10 inbound-smtp.<region>.amazonaws.com.
iCloud Mail10 mx01.mail.icloud.com.

Google Workspace は 優先度 1 / 値 SMTP.GOOGLE.COM の 1 レコードだけで成立し、バックアップ MX 不要というシンプルな構成。

移行時の注意点

メールサービス移行(例: M365 → Workspace)で MX を切り替える際の鉄則:

  1. 移行先のメールボックス準備完了後に MX を切り替える(順序を逆にすると受信メールがバウンス)
  2. TTL を事前に短くしておく(標準 3600 秒 / 1 時間)と、切替直後の混乱期間を短縮できる
  3. 切替後 1〜2 週間は両方の MX を残さない(メール配信先が不定になり、漏れが発生する)

SPF / DKIM / DMARC との関係

MX レコードは「受信側の経路」を決めるが、メール認証(SPF / DKIM / DMARC)はすべて送信側の正当性検証を担う。MX 切替時はこれら 4 つをセットで再設計するのが現代の運用。詳細は Microsoft 365 → Google Workspace 全面移行 参照。

関連用語

  • SPF — 送信元 IP ベースのメール認証
  • DKIM — 署名ベースのメール認証
  • DMARC — SPF / DKIM の結果を統合するポリシー
  • Google Workspace / Microsoft 365 — 代表的なクラウドメール

外部リソース

  • RFC 1035 — DNS 仕様(MX レコード定義を含む)
  • RFC 5321 — SMTP 仕様(MX レコード解決手順)