エージェントに毎回プロンプトを打つのをやめ、エージェントを繰り返し起動・検証・修正する「ループ」そのものを設計する手法。2026 年 6 月に Google の Addy Osmani 氏がブログ記事 “Loop Engineering” で命名した。
概要
Osmani 氏の定義は「エージェントにプロンプトを打つ人であることをやめ、それを代わりに行うシステムを設計する側に回る」こと。人がチャットで指示と確認を往復するのではなく、ゴールを定義したら、エージェントが「行動 → 結果の観測 → 次の判断」を目標達成(または行き詰まり)まで自律的に繰り返す構造を作る。
Osmani 氏はループの解剖図として、次の部品を挙げている。
- 自動起動(automations) — cron・イベントトリガーによる人手を介さない起動
- worktree — 並列作業を衝突させない作業ツリーの分離
- Skills — 領域別ワークフローの再利用単位
- コネクタ — 外部システムとの接続(MCP など)
- サブエージェント — 責務を分離した専門エージェントへの委譲
- 外部状態(メモリ) — セッションを跨いで持続する記録
AI エンジニアリングの系譜
プロンプト → コンテキスト → ハーネス → ループという 4 世代の整理で語られることが多い。
| 世代 | 設計対象 | 時間軸 |
|---|---|---|
| プロンプトエンジニアリング | 1 回のプロンプト文言 | 単発 |
| コンテキストエンジニアリング | 推論 1 ターンに届く全トークン | ターン毎 |
| ハーネスエンジニアリング | エージェント 1 体を包む制御レイヤー | セッション |
| ループエンジニアリング | エージェントを回し続ける仕組み全体 | 継続運用 |
ハーネスエンジニアリングとの違い
ハーネスが「エージェント 1 体の 1 セッションを安全に走らせる装具」だとすれば、ループはそのハーネスごとエージェントを繰り返し起動し、結果を測って次の回転に反映させる運用系を指す。ルール → 強制 → 計測 → 改版が一巡して初めてループが閉じる。人の役割は「都度の指示者」から「ループの設計者・例外時の判断者」へ移る。
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関連用語
- ハーネスエンジニアリング — ループが繰り返し起動する対象となる制御レイヤーの設計
- コンテキストエンジニアリング — ループの各回転の内部で行われるトークンの curation
参考資料
- Loop Engineering — Addy Osmani 氏による提唱記事
- Loop Engineering — O’Reilly Radar — 同記事の転載
- The Art of Loop Engineering — LangChain によるループ設計の解説